AGA治療の第一歩として、ドラッグストアなどで購入できるミノキシジル外用薬(塗り薬)を使用している方は多いでしょう。この外用薬と、市販の解熱鎮痛剤であるカロナール(アセトアミノフェン)を併用する場合、内服薬に比べてリスクは低いと考えられていますが、それでも知っておくべきポイントはあります。ミノキシジル外用薬は、有効成分を頭皮に直接塗布するため、その作用は主に局所的です。全身の血中へと吸収される量はごくわずかであり、内服薬のように全身の血圧に大きな影響を与えたり、心臓に負担をかけたりする可能性は極めて低いとされています。そのため、カロナールと併用した場合でも、薬同士が体内で相互作用を起こし、深刻な副作用を引き起こすリスクは低いと考えられています。しかし、「リスクがゼロ」というわけではありません。特に、頭皮に傷や湿疹、炎症がある状態でミノキシジル外用薬を使用すると、通常よりも多くの成分が血中に吸収されてしまう可能性があります。また、決められた用法・用量(通常は1日2回、1回1mL)を守らずに、効果を期待して過剰に塗布した場合も同様です。このような状況でカロナールを併用すると、予期せぬ副作用のリスクが高まる可能性があります。また、アレルギー体質の方も注意が必要です。ミノキシジルの基剤として含まれるプロピレングリコールなどが原因で、頭皮にかぶれやかゆみといった接触皮膚炎を起こすことがあります。このようなアレルギー反応が出ている状態で、他の薬を併用することは、体にさらなる負担をかけることになりかねません。ミノキシジル外用薬は、市販薬として手軽に入手できますが、それでも立派な医薬品です。カロナールをはじめとする他の薬を服用する際には、たとえ市販薬同士であっても、念のため薬剤師に相談する習慣をつけることが、セルフメディケーションを安全に行う上での鉄則と言えるでしょう。
ミノキシジル外用薬とカロナールの併用について