AGA治療を開始し、一度初期脱毛を経験した後に、再び抜け毛が増えて「初期脱毛の2回目かもしれない」と不安になることがあります。しかし、その抜け毛の増加が本当に2回目の初期脱毛なのか、それとも別の原因によるものなのかを見極めることは重要です。初期脱毛は、AGA治療薬(特にミノキシジル)によってヘアサイクルが正常化する過程で、古い毛が新しい毛に押し出されるために起こる一時的な現象です。通常、治療開始後数週間から2ヶ月程度で始まり、1ヶ月から2ヶ月程度で落ち着きます。2回目の初期脱毛が起こり得るケースとしては、治療薬の種類や用量を変更した場合(例えば、ミノキシジルの濃度を上げた、内服薬を追加したなど)が考えられます。これにより、再び毛周期に大きな変化が起こり、一時的に抜け毛が増えることがあります。しかし、抜け毛の増加が必ずしも2回目の初期脱毛とは限りません。他の原因も考慮する必要があります。例えば、AGA自体の進行です。治療薬の効果が十分に得られていない場合や、治療を中断・変更した後に、AGAが再び進行し、抜け毛が増えている可能性があります。また、季節性の脱毛も考えられます。特に秋口は、夏場の紫外線ダメージやホルモンバランスの変化などにより、一時的に抜け毛が増えやすい時期と言われています。この自然な抜け毛の増加を、2回目の初期脱毛と誤解してしまうこともあります。さらに、生活習慣の乱れやストレスも抜け毛の原因となります。睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、過度なストレスなどが続くと、頭皮環境が悪化し、毛髪の成長サイクルが乱れて抜け毛が増えることがあります。甲状腺機能の異常や鉄欠乏性貧血といった内科的な疾患、あるいは他の薬剤の副作用が原因で脱毛が起こっている可能性も否定できません。もし、2回目の初期脱毛と思われる抜け毛の増加が長期間続く場合や、頭皮にかゆみや炎症などの異常が見られる場合、あるいは他に体調不良がある場合は、自己判断せずに速やかにAGA治療を担当している医師、あるいは皮膚科医に相談することが重要です。医師は、状況を詳しく聞き、必要であれば検査を行い、原因を特定し、適切なアドバイスや対処法を指示してくれます。