ミノキシジルには、頭皮に塗る「外用薬」と、錠剤を飲む「内服薬(ミノキシジルタブレット、通称ミノタブ)」の二種類があります。特に、内服薬を使用している方がカロナールを併用する際には、外用薬の場合よりも一層の注意が必要です。その理由は、ミノキシジル内服薬がもたらす「全身への作用」にあります。ミノキシジル内服薬は、血管を拡張させる作用が全身に及びます。これにより、強力な発毛効果が期待できる一方で、血圧の低下、動悸、息切れ、むくみ、そして頭痛といった全身性の副作用が起こる可能性があります。ここで注意したいのが、副作用として現れる「頭痛」と、風邪などで起こる「頭痛」をどう見分けるかという点です。もし、ミノキシジル内服薬が原因で頭痛が起きている場合、その痛みを抑えるために安易にカロナールを服用し、根本原因であるミノキシジルの服用を続けてしまうと、より深刻な副作用を見逃してしまう危険性があります。ミノキシジル服用後に頭痛が頻発するようになった場合は、自己判断で鎮痛剤に頼るのではなく、まずは処方してくれた医師に相談し、薬の量を調整してもらう、あるいは服用を中止するといった指示を仰ぐことが最優先です。また、ミノキシジルもカロナールも、主に肝臓で代謝される薬です。内服薬の場合、外用薬に比べて肝臓への負担が大きくなるため、肝機能が低下している方がこの二つを併用すると、薬の分解が追いつかず、血中濃度が異常に高まってしまうリスクが高まります。これは、予期せぬ強い副作用を引き起こす原因となり得ます。ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA治療薬として承認されていない、医師の責任のもとで処方される薬です。その使用は、常に専門医の厳格な管理下で行われるべきものです。カロナールを含め、他の薬を併用したい場合は、必ず処方医にその旨を伝え、安全性を確認してからにしてください。